中西名誉園長のコラム 第6回 名誉園長おススメの植物&スポット【その3】ベンガルヤハズカズラ

ベンガルヤハズカズラ

 長崎県亜熱帯植物園は広く、よく利用される遊歩道沿い以外にも興味深い植物があります。中にはあまりスタッフも知らないような珍しい植物もあります。そんな植物も含めて、名誉園長おススメの植物を紹介しましょう。植物園を訪れた時には、是非探してみてください。

ベンガルヤハズカズラ Thunbergia grandiflora Roxb. (キツネノマゴ科)

 芝生広場と子供冒険広場の間にある崖地に一面に広がっているつる植物がベンガルヤハズカズラです。インドから東南アジア原産の植物で、美しい花を咲かせることから熱帯ではよく栽培されており、沖縄でも公園や庭などで見られます。熱帯植物ですが、当植物園では野生状態となり、つるの長さは10mを越えて繁茂しています。長崎のような地域で、このように大きく育っているのは珍しいことです。

 花は直径約5cmの薄紫色で、中央部が淡い黄色をしています。花弁は5枚で、基部は繋がって短い筒状になっています。花はほぼ一年中見られますが、夏の終わりごろから秋にかけて一番多く見られます。

 属名のツンベルギア(Thunbergia:ヤハズカズラ属)はスエーデンの植物学者ツンベルグ(チュンベリー)にちなんだものです。彼は江戸時代の中頃に長崎の出島に滞在し、日本から812種の植物標本を採集し、多くの新種を記載しています。彼が著した「Flora Japonica(日本植物)」は、後に長崎に来たシーボルトが大変参考にした本です。あまり知られていないのですが、長崎には1957年に日本植物学会がツンベルグ生誕200年を記念して建立した「ツンベルグ顕彰碑」が長崎公園の入り口、つまり県立図書館の入り口の横にあります。また、出島にはシーボルトが建てた「ケンペル・ツンベルグ記念碑」もあります。長崎にはツンベルグの記念碑が2つもあると言うことで、長崎と関わりが深い人物と言えます。その名前がついた植物がこのツンベルギアなのです。

 ヤハズカズラ属の植物で代表的なヤハズカズラ(Thunberugia alata)は、小型で家庭用園芸植物として栽培されています。花の色はオレンジ色~黄色で、中央が黒色をしております。この植物はツンベルギアとも呼ばれています。

ベンガルヤハズカズラ
崖地を破って繁茂するベンガルヤハズカズラ