中西名誉園長のコラム 第3回 斑入り植物展によせて

斑入り植物展

 江戸時代は長く平和な時代が続いたので、いろいろな文化に花が咲いたと言われますが、その一つに園芸があります。植木鉢が発明され、庭をもたない庶民も園芸植物を楽しむことができるようになりました。江戸には園芸店ばかり集まった園芸団地ができ、多くの人がそこに集まりました。町民から武士、大名、将軍にいたるまで園芸を楽しんだようで、当時は世界でも園芸が最も盛んな国でした。

 江戸の園芸植物の中心はキク、ボタン、アサガオなどの中国から伝わった美しい花の咲く植物ですが、一方では花ではなく葉を楽しむ植物も人気でした。はでな花よりも控えめな美しさが、わび、さびの精神に結び付くからかも知れませんし、一年を通して楽しむことができるからかも知れません。中でも葉がふつうのものに比べて変わっているものが珍重され、「葉芸」とよばれていました。斑入りもその一つで、さまざまな斑入りのものが栽培されるようになり、江戸後期にはそれを集めた本なども出版されました。

 今回の夏休み特別企画の「斑入り植物展」はそのような江戸の人が楽しんだと思われる古典園芸植物の斑入りを中心に展示しました。私も斑入り植物は好きで、少しは自宅で栽培していたのですが、この特別展を計画してから、ほぼ一年間をかけて集めたものを展示してあります。

 暑い夏、斑入り植物は涼しさを感じさせる植物ですし、日当たりの悪い庭でも栽培できます。また庭を明るくする効果もあります。熱帯地方から導入された多くの観葉植物に比べて、寒さにも強く、栽培は簡単ですので、日本の家庭にもっと取り入れたい植物です。

 「斑入り植物展」を是非ご覧になり、斑入り植物の美しさ、魅力を感じ取っていただければ幸いです。
斑入り植物展

夏休み特別展示「斑入り植物展」は、2013年7月20日から8月31日まで当園で開催しました。